哭声 コクソン
韓国のとある村 谷城(コクソン)で次々と起こる不審な殺人事件。
どの現場でも身内を殺めた容疑者には共通して発疹が発症していた。
毒キノコによる幻覚が引き起こしていた単純な事件に思われていたが、
ある村人から「山の奥に住む日本人の男が怪しく、不審な行動をとっている」との情報が入り、
警察官のジョングは同僚と通訳を連れて日本人の男の家を訪ねる。
そこで彼らは宗教じみた祭壇や生贄のような動物、
そして事件に関わった者たちの写真を目撃したことから疑いは強まった。
さらに娘ヒョジンの片方の靴を発見し、ジョングは激しく動揺する。
その日からヒョジンは人が変わったように暴飲暴食し、
ジョングに対して暴言を吐くなどの奇行を繰り返すようになった。
心配したジョングの妻の母は祈祷師を呼びお祓いをしてもらうことになったが、
儀式の際中に苦しむヒョジンを見かねてジョングは中止してしまう。
一度は回復したように思えたヒョジンの容態はさらに悪化し、
事態は思いもよらぬ方向へと動いていく―――
ここ最近見た映画で一番恐怖を感じました。
ゾンビ、エクソシズム、ホラー、スリラー、サスペンス、ミステリー
それらがうまい具合に混ざり合って混沌を生み出しているような作品。
ジャンルがただのホラーなだけでなく、様々な要素を含んでいるからといって
多ジャンルがごちゃまぜにならず、とてもきれいにまとまっていると思いました。
いろいろな洋画のホラー作品を見てきましたが、
そのどれよりもぶっちぎりで不気味で怖い…。
特に國村準さんは今後確実にトラウマになりそうなレベル。
そして、ヒョジン役の女の子もかなり怪演!!!
子供とは思えない、周りの俳優たちを抑えてものすごい演技を見せつけています。
ずーっと重たい空気が流れていますが、156分もあるのにあっという間。
長さを感じさせないほど集中してしまいます。
悪霊というアジアのホラーと、聖書の引用の西洋的なミステリーの恐怖がうまく融合していて
そのミックスが怖さを倍増させています。
最後は騙されて、また騙される。そして、祈祷師…んん?! です!笑
謎を残しつつもスッキリしそうでしないラスト。
モヤモヤするけど、そのモヤモヤが何となく悪い気がしない。
不思議な感覚でした。
内臓や人体損傷などの直接的なグロテスクな描写はあまり無いけど、
動物の血や部屋や服に残る血のシミなど、
見ていて画面を通り越してその臭いが伝わってきそうなくらいの
血生臭さが何とも言えずリアルでした。
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』以来の、
「二度と見たくないけど、人には薦めたい」映画でした!
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