Brigsby Bear
外の毒素を含んだ空気を吸うと病気になると聞かされ、
遮断された空間に両親と住むジェームズ。
そんな彼の楽しみは毎週土曜日に定期的に届く
教育番組「ブリグズビーベア」のVHSを見ること。
閉鎖的な生活も、両親と交わす少し不思議な挨拶も、
彼にとっては苦痛ではなく、平穏な毎日だった。
ある夜、パトカーが見えると思ったら、警察が家に押し入り両親は捕まってしまった。
ジェームズは警察で保護され、今まで両親だと思っていた人物は両親ではなく
誘拐犯だったと聞かされ、本物の家族のもとへと引き渡された。
「ブリグズビーベア」を見て育ったジェームズの世界、常識、生活は大きく一変した。
本当の世界では「ブリグズビーベア」を見ている人など一人もいない。
「ブリグズビーベア」は彼を誘拐した両親が
ジェームズに見せるためだけに作っていた完全オリジナル番組だった。
「ブリグズビーベア」こそ世界の全てだと思い込んでいたジェームズは
誘拐犯が作っていた番組だったという真実を知り
もう番組の新作が見られないことにひどく落ち込む。
しかし、もう見られないならば自分で作ればいいと考え、
ジェームズは「ブリグズビーベア」の新作映画を作り始めた―――。
最初こそ不思議な始まりですが、
しっかり笑えて、最後はものすごくほっこりする作品。
見終わった後、優しい映画の世界観に浸り温かい気持ちになりました。
好レビューが多いのは知っていて、ずっと気になっていましたが、
トレーラーから読み取れるの不思議な世界観の第一印象に
「面白いのかな…」と少し見るのをためらっていた時間が長くなりすぎてしまいました。
なんでもっと早く見なかった!!!!
と後悔するほどに大好きな作品になりました。
旧作ではありますが、2022年上半期に初見の作品の中では断トツの1位!
誘拐されて育ったというサスペンスな始まりですが、
ほとんどそこに触れられることはなく、誘拐した理由もあいまいにしか話がなくて
「なんで…?」と思うところもありますが、
私はそこが逆に良かったかなと思います。
大事なのはジェームズの「ブリグズビーベア」命!なところ。笑
どうしても気になる人にはちょっと物足りなくて納得できないかもしれませんが、
サスペンスな展開を期待している人には期待外れになると思います。
「ブリグズビーベア」オタクのジェームズ同様、
私も映画オタクなので、好きなものに熱くなる気持ちはよくわかります。
でも彼の熱意は誰も傷つけることはなく、
しっかり周りのことも見えている。
そんなジェームズがとてもすてきでした。
彼に協力する人も本当に温かい人たちで、
ジェームズを馬鹿にする奴や悪役なんていない正に優しい世界…
じんわりと心が温かくなる作品でした。
広い世界を知らずに育ってきたジェームズ。
見るもの聞くことすべてが新鮮で、
小さなことにいちいち大きく感動する彼の発する言葉も優しくて
ちょっと見た目とのギャップを感じました。笑
久々にソフト欲しくなる作品に出会いました。
類似作品で言うと、「ラースと、その彼女」(みんな優しい)、
「リトル・ランボーズ」(映画作りの映画)など。
かなり良質な作品ですが、ミニシアター臭がすごくて、
誰かにおすすめしたくても、「映画半年に1回くらいは見るかな」程度の
映画好きって感じではない人には勧めにくいかなと思ってしまいました…。
偏見かもしれないけど、そういう人ってブロックバスターとかシネコン系の
大規模予算映画だけが映画と思い込んでいる節があるというか…。
万人に勧めたいけど…っ!!笑
小さい作品ですが、マーク・ハミル、グレッグ・キニア、
クレア・デインズ、アンディ・サムバーグと脇を固める出演者は豪華!
元気が欲しいときにぜひ見てほしいハートウォーミングな映画です。
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